白浜ゴルフ倶楽部(和歌山県) 民事再生の適用を申請

白浜開発(株)(TDB企業コード:520138499、資本金1億2610万円、和歌山県西牟婁郡白浜町2927-1、代表田中進氏)は、7月25日に和歌山地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、保全命令および監督命令を受けた。

申請代理人は片岡牧弁護士(大阪府大阪市中央区北浜2-3-9入商八木ビル2階、堂島法律事務所、電話06-6201-4457)ほか1名。監督委員には中川利彦弁護士(和歌山県和歌山市六番丁43ハピネス六番丁ビル5階、パークアベニュー法律事務所、電話073-422-1858)が選任されている。

当社は、1955年(昭和30年)10月に設立したゴルフ場運営業者。56年8月に開場した「白浜ゴルフ倶楽部」は温泉観光地として知られる南紀白浜温泉の丘陵地に立地していた。温泉付きのクラブハウスのほか白良浜が一望できるレストランを併設し、白浜に保養所を有する企業や関西圏の観光客を顧客として獲得。開場時には高松宮殿下が訪れたゴルフ場としても知られ、当地では老舗のゴルフ場として知名度を有し、92年9月期には年収入高約8億5000万円を計上していた。

しかし、90年代以降は長引く景気の低迷とゴルフ人口の減少によって売り上げ・収益ともに低調に推移。2011年には東日本大震災の発生や台風12号における被害に伴うコンペの自粛により来場者数は約2万1000名にとどまり、2011年9月期の年収入高は約2億700万円にまで落ち込んでいた。その後も会員の高齢化や設備の老朽化に伴い集客に苦戦するなか、2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で一時は利用客が減少。近隣ゴルフ場の閉鎖に伴い入場者数は回復傾向にあったものの、不透明な先行きから業績回復のめどが立たず、スポンサー支援のもと民事再生手続きによる再建を目指すこととなった。

負債は債権者約490名に対し約9億5700万円。

なお、「白浜ゴルフ倶楽部」は、現在も営業を継続中。スポンサーとして(株)わたらせ温泉(TDB企業コード:580598955)が支援の意向を表明している。

また、7月28日(木)午後2時より「紀南文化会館 1階 展示ホール」にて債権者説明会が開催される予定。

2022年7月26日 帝国データバンク 記事より抜粋